作家を動かす手紙

今日のブログは、少々文体が普段と違います。
ハードボイルド的に書いてみました。

幻冬社という出版社はご存知だろうか。
出版不況と言われる中、ベストセラーを出す出版会社だ。
そこの社長、見城氏の生き方に、私は“やられて”しまっている。

書道教室のブログを書いている私にとって、様々な点で、影響を受けている。

少し業界の話をさせてもらうが、売れっ子作家がいれば、
出版社(編集者)は、原稿依頼をして出版するというのが仕事だ。
ただ、そのような作家は、付き合いのある出版社もあるし、執筆中の案件を抱えている。

見城氏は、そんな超多忙の作家に新しい案件を依頼して、本を出すのだ。
というよりも、出させるのである。

それでは、どうやって口説くのか。
それが実は、メールでもなく、電話でもなく、手紙を送りまくるのだそうだ。

その手紙を書く見城氏の様子を捉えたテレビを見た機会があった。
彼は、その作家に何故故(なぜゆえに)ウチの出版社で本を出して欲しいのか。
そこを、ワープロではなく、手書きで書いていくのだという。
青か緑色の水性ボールペンで、メモ書きのようにタッチで、書くスピードは結構早い。
文字は小さめで、文字量も、通常の手紙よりは多い印象だ。
数枚の便箋に、びっしりと文字を埋めてから、封筒に納め、作家に送りつける。

しかし、
手紙を一回出しただけで、多忙の作家が動くはずもない。
只只、しつこい程出していく。正確な数を記憶出来ない程、手紙を書いて送っていると、
ある日、当の作家ご本人から返事がくる。
そこから程なくしてという訳ではないだろうが、出版にこぎ着け、
やがて、ベストセラーになる。

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情報化時代と言われながらも、
人をゆさぶる文章を書かせる為に、編集者が一文字一文字手書きで手紙を書く。
という見城氏のネタは以前から文章にしたかった。

母の書道教室に微力ながら絡むようになって、
改めて、見城氏の『書かせる為に、書く。』ということを考えさせられるのだ。

書道という世界は、型や様式美の世界の伝承であるが、
もう一つの世界、人柄を感じさせる文字と内容で、人を動かす手段として感じることもある。

個人的に、太田いと書道教室の教材で、回文マンガがあるが、これをいつか出版したら、
面白いものになるのではないかと、思うことがある。

そう簡単に叶えられる話ではないが、見城氏に持込企画という形で、持っていくのもありなのかもしれない。
ただ、その前に、手書きの手紙で反応をを待つ方法をあえて、取りたいと思う。


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